5月24日(月) 近畿地区浄土宗青年会の第43回総会・第54回研修会が開催されました。京都府下に再度、新型感染症の緊急事態宣言が発令された為、今年度の総会研修会は、急遽ZOOMによるオンライン配信のみの開催となりました。総会ではオンライン投票を用いて、昨年度と今年度の事業・会計報告がそれぞれ承認されました。
引き続いての研修会では、3人の先生方にご講義を賜りました。
講義① 総本山知恩院布教師 安部隆瑞上人より
「機を料(はか)らう 〜ありのままの自分を見つめる〜」
と題して、ご講義をいただきました。
講義の前半では、我々に馴染みの深いご法語『一紙小消息』より「末代の衆生を往生極楽の機にあててみるに」という冒頭の部分を引用し、時(時代)、機(人の器)、教(教法)の3つの視点に触れられました。浄土門の教えにおいては、この三つが噛み合い整合しているからこそ、末法濁世の時代において、煩悩具足の凡夫の我々であっても、本願念仏の教えにより、確かに救われる道があると、様々なお書物を引用しお示しくださいました。
後半は講義の内容を基に、法然上人のご法語『機教相応』を讃題として、布教実演をしてくださいました。
今期の近畿地区浄青の活動テーマは「信機 我が身の程を信じて」であります。
活動テーマにも掲げた、浄土宗の根幹となる大切な教えの一つを、改めて学ばせていただきました。
講義② NPO法人ジャパンハートの吉岡秀人氏より
「共生の心でアジアの命と向き合う」と題してお話いただきました。
吉岡氏は、東南アジアをはじめ国内外に広く医療支援を行っておられます。
30歳で単身ミャンマーに渡った吉岡氏は、悲惨な医療現場を目の当たりにされます。風土病や火傷などの外傷から、多くの子どもが5歳を待たずに命を落としていく―それを見殺しにするしかないもどかしさに苦悩されながらも、その現状に立ち向かってゆかれます。そんな吉岡氏の姿に、心ある人の力が少しずつ集まり始めます。腫瘍に冒され死を待つばかりの男の子を思い切って日本に連れて帰った際には、手術を引き受けてくれた旧知の病院長が数百万円の費用のほとんどを援助してくれました。医療スタッフも集まり、カンボジアの病院設立資金をクラウドファンディングで募ると希望額の何倍もの寄付がありました。吉岡氏の活動が周りの人の善行を引き出したのだと感じました。私たちも青年会を通じて布施行や慈悲行を実践することで、一人一人の力は小さくとも周囲を巻き込んだ有意義な活動となるのではないかと考えさせられました。
吉岡氏は、「人の命を救うことは自分の命を救うのと同義である。」と見出されます。「人間は自分のことは自分では分からない。人の目に映る自分の姿からしか自分の価値を認識できない。だから、人が救われないと自分も救われない。」人のための布施行・慈悲行こそが、私たち自身を満たしてくれる-自利即利他、二利円満に通じるお話でありました。
講義③ 仏教研究学者の西山亮哲上人より
「機根にまつわるエトセトラ」と題してご講義いただきました。
機根の基礎知識、梵天勧請について、維摩経に出てくる舎利弗のお話などを原典に沿って、ユーモアを交えつつ解説いただきました。
維摩経と聞くと僧侶の私たちでも難しい印象がありますが、面白いストーリーになっているということを分かりやすくお話しいただいたことが印象に残りました。
また、西山先生は30代後半とまだお若く、同じ青年僧侶が頑張っているお姿に励まされました。



